妻のK子とは中学以来の付き合いである。
私大付属の中高一貫の学校で1学年下の妻
と知り合ったのは中2のとき、ブラスバンド
部であった。高校卒業後は推薦で系列の大学
へ進み、大学でも仲の良いカップルであった。
初体験は私が高3の時であるから、経過から
考えれば、相当に遅い方である。大学に入って
からは、親元を離れてアパート生活になった
私達は、どうかすると毎日のようにセックス
していた。避妊には注意していたが、たまに
我慢できずに中に出してしまい、K子の生理
が遅れると、ハラハラするときもあった。
二人は当然のように、卒業後すぐに結婚する
予定であった。卒業後は私は親の経営する
不動産会社に勤めるつもりであったし、経済的な
不安も無かったのである。
 
悲劇が訪れたのは大学4年の10月である。
就職の決まった友人の祝いに夜遅くまで酒
を飲み歩き、酩酊状態でアパートにたどり着いた
私は、アパートの4階の自室まで階段を上っていた。
運悪く季節外れの台風のせいで土砂降りの雨が降っていて、
階段が滑りやすくなっていた。
階段で足を滑らせて私は転落したのである。
しばらく気を失っていたらしい私は、2階の中間階に倒れて
いた。体を見ると、あちこち痛みはあるが、
どこにも目立った出血はしていなかった。そこで立ち上
がろうとしたが足が動かない。両足ともまったく
動かせないのである。すぐに足先に感覚がない
ことに気づき、これはヤバイことになったと
思った。携帯で救急車を呼んだ。救急病院
に運ばれて、レントゲンやMRI検査を受けて
分かったことは、脊椎骨折、全治3か月、しかも
両足の麻痺の回復は、経過をみないとわからない
ということだった。それから地獄が始まった。
卒論が書けていない私は自動的に留年。懸命の
リハビリで、一本の杖で歩行できるまでには
なったが、排尿が回復するのに半年かかった。
さらに心配なことがあった。怪我をしてから、
一度も勃起しないのである。退院後、K子に
そのことを告白した。夜K子が確かめるように
色々してくれるのだが、私のアソコは萎えたまま
だった。翌朝病院に行き、ED治療薬を処方して
もらった。しかし1錠薬を服用しても効果がなく、
しかたなく2錠服用すると、多少の反応はあったが、
行為の途中で中折れしてしまった。泌尿器科や
神経専門医も受診したが、検査をしても異常が
見つからぬので、時間をかけて治すしかないという
返事であった。それを理由に婚約を破棄されても
しかたのない私だったが、中学以来の付き合いである
K子は私を見捨てなかった。二人そろって大学を卒業
後、K子と私は結婚した。

私の男性能力はなかなか回復しなかったが、ある場合
には少し良いようだった。
それは、寝取られることがテーマのアダルト動画
を見たときであった。夫が被害者となって、妻を犯される
ような切羽詰まったシーンで、私の下半身は反応する
ことが分かったのである。悩んだ挙句、K子にそのこと
を告白し、一度試してみないかと話を持ちかけた。
私も当時、相当に焦っていたのである。
最初は驚いていたが、私の真剣な表情で何度も頼むと、
治療として望むなら試しても良いと、K子はしぶしぶ承諾してくれた。
ネットで相手を選ぶことにした。友人に依頼することも考えたが、
話を切り出す度胸がなかった。ネットで相手はすぐに
見つかった。経験豊富な中年男性が良いだろうと思い、
40代の自営業の男性とコンタクトをとった。ラブホテル
で私たちは落ち合うことになった。
週末の夜、私たちはホテルの一室で男と出会った。
遊び人風の、背は高いがやせ形の、顔の小さな男だった。
ある程度、私の性的傾向について知らせて
いたこともあり、男性は私を縛るためのロープを用意していた。
私はロープで縛られることにためらったが、男の
雰囲気作りのためで、嫌ならいつでも解きますから、
とうい言葉に促されて、手足をロープで縛られる
ことを私は受け入れた。その状態で私はベッド
横の椅子に座らされた。男はベッドに妻を座らせると、
横に座っていきなりキスを始めた。
「あ、ちょっと、待って」
私はたまらず口にだしてしまった。
「いえ、すみません。どうぞ続けてください」
と謝る私。度胸の定まらぬ私に、男は用意していた
口枷を私の口に装着した。用意の良さには
あきれるばかりだが、私は受け入れるより仕方がなかった。
男と目を合わさぬように黙ったままうつむいていた
妻だったが、男が舌を妻の口に入れたころから、
妻の表情が一変した。さっきまで他人であったことも
忘れて、男との性の快楽を受け入れるに態度に
変わったようだった。服を脱がされ、下着をとられ、
乳首を吸われると、妻はおおきくのけぞって、初めて
歓びの声をもらした。無理もなかった。23才の
健康な女性である。それまで、会うたびに性交をしていたK子は、
もう1年以上もまともに満足を与えられていないのである。
どちらかと言えば内向的でまじめなK子は、
秘密にセフレをつくるような女性ではなかった。
男がクンニを始めると、K子の声はさらに大きく、
艶やかになった。K子は男の頭を両手で持ち、
大きく腰を持ちあげていた。時々息苦しくならながらも、
わざと男は音をたててK子の淫汁をすすり、舌を突き出して
K子を攻めていた。
男がパンツを脱ぐと、K子が初めて経験する他人棒が
現れた。それは私より小さめであったが、陰嚢は
ふてぶてしいほど太かった。男はK子にフェラを求めると、
仰向けになって大の字になった。K子がフェラを始めると、男は
私の方を向いた。私はたぶん青ざめた顔で、瞬きもせずに
成り行きを凝視していたに違いない。男はちらりと私の
股間に目をやった。そしてすぐに視線をそらした。
私は勃起していなかったのである。
「奥さん、旦那さん立ってないから、助っ人呼ぶね」
突然の想定外の展開に驚く妻と私を無視して、男は誰かに電話を
始めた。5分も経たぬうちに30代の背の低い男が現れた。
どうやら最初から、示し合わせて近くで待機していたようだった。
慌てて、脱ぎ捨てた衣類でからだを隠そうとする妻に、
「これ、おれの友達、悪い奴じゃないから安心して、大丈夫だから、ね」
子供をあやすように妻に言い聞かせて、背の低い男を紹介した。、
背の低い男はズボンを下ろし、パンツを脱ぐと、自分の一物
を妻の顔の前に出した。背の高い男と違い立派なペニスである。
見たことのない大きさのせいかもしれない。
「い、いやよ」
妻は拒否し顔をそむけた。
「ほら、旦那さんのためなんでしょ。さ、がんばろうよ」
そう言うと背の高い男は拒否する妻の顔を後ろから両手で挟んで、背の低い男の
方に向けた。妻は目も口も閉ざしたままである。まるで見なければ
怖いものが過ぎ去って行くと信じる子供のようであった。
「さっき俺にしてくれたみたいに、こいつにもしてやってよ」
そう言うと背の高い男はニヤニヤしながら妻の鼻をつまんで
息をできなくさせた。しばらくすると苦しくなった妻は、
潜水後の海女が海面でそうするように、口を開け肩で大きな呼吸をした。
すかさず、男がペニスをK子の開いた口に入れてきた。
背の低い男は腰を前後させた。肉棒で男に口を犯されて
、妻はなすがままの状態であったが、
背の高い男が背後から妻の乳房を揉み始めると、諦めたのか妻の
方から頭を動かして男のペニスをしゃぶり始めた。
背の低い男のペニスはみるみる
そそり立ち、20センチはあろうかという立派さになった。
妻の乳首が刺激に反応して硬く立っているのがわかった。
そのとき、私は自分の股間が硬く隆起するのを感じた。
やがて二人の男もそれに気づくと、
「ほら、旦那さんも興奮しているよ」
妻は潤んだ瞳で私を一瞥すると、今度は積極的に背の低い男の
男性自身を舐め挙げた。背の高い男もしてほしくなったのか、
立ち上がるとK子に自分の小さめのペニスを差し出して、
二人の男はかわるがわるK子に自分のペニスしゃぶらせた。
妻は強い酒を飲んだ時のように、目はトロンとして、耳を
赤くさせていた。二人の男は平等に妻のフェラを愉しんで
いたが、その均衡を破ったのは背の高い男の方だった。
二人の男の間で暗黙の序列ができていたのかもしれない。
背の高い男が妻を押し倒すと、妻は小さな悲鳴をあげた。
背の低い男は脇に退き、傍観者になった。
両脚を左右に拡げると、背の高い男は陰毛の濃い妻の陰部に分け入ってきた。
私からは見えぬ角度だが、妻は相当に濡れていたに違いない。
私は妻が水気の多いタイプであることを知っている。
男は生で妻に挿入した。
「だめ、ゴムを付けて」
妻は拒否したが、言い終わらぬうちに男は深く腰を押しつけた。
十分に準備ができていた妻の女性器は、もはや男を拒否できなかった。
男が腰を深く前後させ、速度を速めて行くと、妻は首を
左右させ、のけぞって快感をあらわにした。
背の高い男の腰の動きは長くは続かなかった。
だめだ、いく、という言葉とともにペニスを引き抜くと、
腹部か胸にかけて精液を勢いよく飛ばして、男は果てた。
この時点で妻が達していないのは明らかだった。
今度は背の低い男が妻を犯した。
妻をうつぶせにさせ、ヒップを持ち上げると、男はバックから
挿入した。長いペニスは最初半分くらいしか妻の中に入らぬ
ように見えたが、ゆっくりと腰を前後させると、徐々に深くまで
入ってしまった。ただ、奥のほうで妻の最も深い壁にあたるらしく、
ある所まで男が進むと、「うっ」という奥底から出るようなうめき
声を妻は出していた。それは苦痛のようであって、明らかに快楽の
吐露であった。パンパンという背後から肉を打つ乾いた音と、
K子のうめき声がホテルの部屋で交叉した。
それまで、私とは反対側を向いていて、妻の表情
が分からなかったが、ある時こちら向きになうと、私と視線が合った。
妻は眉を八の字にして、私に助けを求めるようにも見えたが、
男にペニスで強く突かれると、数センチ前のものでも見るような、
焦点の合わぬ視線になっていた。私は激しい嫉妬と焦燥で頭の中を
かきまぜられる思いであった。しかし、私の股間は爆発寸前に緊張
していた。男は背後から妻を抱きかかえると、繋がったまま体位を
かえ、私に結合部分が良く見える位置にして妻をのせ、下から
腰を突き上げた。鍛えているらしい男の下肢の筋肉がくっきりと
見えていた。そうやって何十回男は妻を突いただろう。
妻は獣のような大声で鳴き、髪を振り乱して男の性に応えていた。
男の肉棒は妻の淫汁に濡れて黒く光っていた。
男は汗だくであった。「もうがまんできん」男がうめいた。
次の瞬間、リズミカルであった男の下半身の動きが止まって、
小刻みに2、3度腰を震わせて、動きが止まった。上に乗った
妻に下から突きたてられたペニスがピクピクと動いて見えた。
背の低い男は口を半開きにして、恍惚とした表情で妻の中に射精していた。
妻は射精に呼応するかのように、腹部をビクンビクンと引き攣らせた。
私は手足を縛られ、口枷をされたままウーウーと犬のように唸っていた。
やがて妻と男はけだるい様子で離れると、妻が私の方ににじり寄ってきた。
そして私のズボンのチャックを開けて、完全に怒張した私のペニス
を口に入れた。あっという間に私は妻の口の中で果ててしまっていた。
背の高い男が
「中だしはしない約束だ、て言っといたろ。なんで出したんだ」
と、背の低い男を責める声がした。
そそくさと二人の男はその場を退散していった。

全てが夢のなかの出来事のようだった。

妻にロープを解いてもらうと、すぐに妻をベッドに押し倒した。
他人の男の汗と精液の匂いのするベッドの上で、私は
妻に狂ったように挑んだ。
挿入すると妻のソレは広くなってしまっていたが、
男達の残したぬめりの中で、私は至福の絶頂を感じていた。
私は完全に男を回復したと思った。
妻の眼を閉じた顔が天使のように見えた瞬間だった。

それから2か月たった土曜日の午後、
私はK子から生理が来ないことを告げられた。
あなたの子だったらいいけど自信がないという。
とりあえず、妊娠検査具を近くの薬局に私が買いに行くことになった。
薬局の近くで数人の作業員が道路工事をしていた。
一人の男は背が高く、上半身裸になって削岩機を使って
けたたましい大音量でコンクリートを砕いていた。
その筋肉質な体をちらちらと私は見やりながら、
その男に犯される妻の姿を白昼夢のように夢想する私なのであった。