「彼とうち解けられるのは私しかいない。」と いう優越感だけで良かったはず だったのだが、次第に彼は私を意識する素振り を見せてきた。 「彼氏に内緒で、デートしようか。」 思わず曖昧に断ってみたものの、彼のことが気 になって どうしてか彼氏と会っていても上の空になって しまう。 もったいなかったな。もう誘ってくれないだろ うな、と思っていたが、 彼は、私のことをあきらめていなかったよう だ。
映画が好きだ、という話になり「うちには、ビ デオがたくさんあるから遊びにおいで。」と 彼。 次の休日遊びに行くことになった。 彼は得意げに映画の説明をしながら、次々と違 うものを見せてくれた。 中に観たかったものがあったので「じゃあ最初 から観ようか。」ということになった。 映画が10分ほど経過した頃彼は私に後ろから 手を回した。 私があからさまにビクッと肩をふるわせても特 に気にしない素振りで そのままもう30分ほど過ぎたとき、緊張と実 際の体感であつくなった私は 「あつい・・。」とつぶやいた。
彼がブラウスの後ろ裾を両手でつまみ、仰いで くれた。 そしてまた、両手を私の胸の下へ回した。 私の心臓は、肋骨が振動するほど早く激しく脈 打って止まらなくなっている。 彼の手はゆっくりお腹のあたりへ降りてきて、 やはりゆっくりブラウスの中に入ってきた。 するすると肌を伝って、ブラジャーの上へ持っ てきた手をまたゆっくりと 降ろしたり、そしてまた優しく胸の上をさすっ てみたりしていた。
私は彼に聞こえないように大きな溜息をつく。 彼の洋服と私の服が衣擦れを起こしたな、と か、彼の中指が胸の先で円を描いているな、と か 頭をぼんやりさせていると、いつのまにか左耳 に暖かい息がかかっていた。 そのまま頬、唇にキスをしてきた。今まで感じ たことのない柔らかくてちょっと乾いた 感触だった。 彼は私の背中へ手を回し、床へ倒れるように促 したら今後はもっと深くキスをしてきた。
手はブラジャーのホックをはずして、そしてそ れを押し上げ、ブラウスのボタンを全てはず し、 直に私の胸に触れた。 「ん…。」鼻で声を漏らすと、両手で胸を包み込 んで乳首を上へ持ち上げるようにして じらすように揉み上げてくる。 唇を離した彼は、頭を下げて右の乳首の先端を 軽く「ちゅっ」と音を立てて吸う。 私の身体が、かすかに震えた。
そのまま舌先で転がしたり、吸ったり、5秒お きぐらいに「ちゅっ」……「ちゅっ」…… 「ちゅっ」と いう音が部屋に響いていた。 右の胸をそうされ、左の胸は回すように揉ま れ、声が、もう、どうしても 「……っあっ…んん…っ…はぁっ……。」と漏れ る。 体がしびれるように感じて、だまってられない ほど。 舌のなま暖かい感触に耐えきれず体が反り返る ようにうねるのを 彼は押さえつけながら続ける。それがまた感じ てしまう。
彼が顔を上げてまたキスをした。舌が、私の舌 を絡んできた。 体がしびれてのけぞりそうになるのを彼の体重 で押さえつけられながら、 乳房や乳首は、さすられて、揉まれて、軽くつ ねられて、ますます敏感になってくる。 彼は一度身体を起こし、仰向けの私の右手側に 寝ころんで 右手を内股の間に滑らせていく。私は交互に脚 を動かして、下着を脱がせる彼の手助けをす る。 入り口のぬるぬるした感触を自分でも感じてい たけれど、彼の中指が触れたとき 確信した。私は閉じていた目を軽く開けてみ た。彼はそれに気づいて嬉しそうに笑った。
それと同時ぐらいに中指は下へ、少し奥へスラ イドする。 思わず顔をゆがめる。「はっ…!」と短く強く息 を吸った。 中指はそのまま上下に大きく動いてゆく。 「あっ……あっ……ん…。」 彼の唇はいつの間にか右の乳房の先端を深く吸 い上げていて、 左手は私の背中からまわり、左の乳首をつまん だり転がしたりしている。 指が、中に入るか入らないかのところを入った り来たりで、何度も 何度も私は声を上げていた。
……私、この人のこと、好きなのかなぁ…。すご く、気持ちいい……。思いながら 意識はおでこの上あたりでゆらゆらしていた。 頬が火照っている。 彼が身体を起こした。いつの間にかTシャツ、 トランクスになっていた彼は 下のみを脱いで、その準備をしている。私は目 を閉じて、息をととのえ、待っていた。
長い沈黙の後、脚と脚がこすれる音がして、 あれの先が入り口に押しつけられた。 ぐっ、ぐっ、ぐっ、と私の中へ沈んでくる。 私は、身体を巡る感覚を我慢しようとまた 「はっ…。」と息を吸う。 でも、 彼が私の両脇の下から背中に手を回し、手を食 い込ませ、 ずんっ、と腰をぶつけてくると、もう、耐えら れなくなっていた。
「あっ…はぁっ…!」私の声は大きくはないはず なのに妙に自分の頭に反射する。 さっきまでやんわりしていた彼の動きとは別の 人みたいに 弓のようにしなっていた。わたしの「あっ…。 んっ…。あっ…。あっ…。」という声と 腰が打ち付けられるパンッ、パンッ、パンッ、 パンッ、という音が 映画の音に混じって聞こえてくる。 時々ぎゅっと抱きしめられたりする。その度気 持ちよくて「んっ…。」って声が漏れた。
かなり感じてはいたけれど初めてする人なの で、 なかなかいけないでいた。身体がどうにかなり そうなので 「私、初めての人の時……いけないんだ。」とう ち明けることにした ゆっくり腰を沈めながら彼こう言う。「好きだ よ。」 男は好きな女と初めてするとき、いけないん だ、と彼も言った。
私達は、彼の布団でしばらく眠った。 結局その日は彼の家に泊まったけれど、この曖 昧な関係はしばらく続くことになった。 「今度はいかせてあげる。」 妙な約束を交わして、また彼の家へ遊びに (?)来ることになったわけだ。
二日後の夜また彼氏に内緒で、彼の家へ遊びに 行くことになった。 以前とは違い、もうその気になっていたので彼 はすぐに私を布団へ連れて行った。 「俺とつきあおうよ。」私はその言葉に曖昧に 笑うだけだった。 彼は少し荒々しくキスをして、強引に私の上物 のカットソーの裾から 手を入れる。 ブラジャーのホックをはずさずに、ぐいっと上 げ、 「彼氏と別れないの?」聞いたことのない冷た い声で言う。
何も言えないで唇を噛んでいると彼は唇を半開 きにしながら 私の唇に吸い付いてきた。 彼の両手が乳房を握りしめながらその人差し指 と親指は 乳首を強弱をつけて、ぐりぐりつまみ上げる。 舌を吸われている私は「んーんー……。」と鼻か ら必死に息をしながら 快感に耐えていた。
彼はそれを楽しんでいるようだった。彼の鼻か ら時々熱い息が漏れて、 瞼の薄い肉を刺激している。 私の脚の間に彼の身体が割り込み、割れ目のあ たりに彼の堅くなった物を すり寄せて、時に離したり、つついたりする。 彼はゆっくり顔を下へ滑らせスカートをはぎ 取った。 顔は私のしっとり濡れているところに近づいて くる。
恥ずかしくて太ももを閉じようとすると彼は強 く押さえつけて動けないようにした。 「俺から離れられなくしてあげる。」下着の股 の部分を指でずらして、 穴を縦になぞり「ぬれてるよ。」と言う。 息が、そこにかかる。舌が突起のとことをとつ ついてから 次は舌全体で大きくゆっくり舐め上げた。 身体が思わず波打つ。なま暖かい舌は上下に何 度も、ねじ込みながら、穴の入り口をなぞって くる。 「んっ…あん…あ……あん…っ。」おもわず彼の 手首を握りしめた。
私の太ももがもう閉じないことをわかって、彼 は下着をとって左手を乳房に伸ばし 右手の二本の指を穴の入り口に持ってくる。 じゅるじゅるっ・・突起を強く吸い上げなが ら、指をくねらせ奥へ入れてきた。 「あんっ!」思わず大きな声を上げてしまっ た。 唇が何か食べているように開いたり閉じたり 舌を押しつけられたり……、次第に私は激しく息 を切らせ、 時々声を漏らし、つま先に力を入れていった。
彼は、指を出し入れしながら、もっと強く口全 体を使って執拗に攻めてきた。 いきそうになると止める。じれったくて腰をく ねらせるとまたはじめる。 「もう、駄目だよ……。」それでも、いきそうに なると突起をくわえたまま、止める。 彼は右手の指を抜き、私の太ももを抱え、持ち 上げた。 また顔をうずめる。 両手は乳首をつまんだり 転がしたり乳房をわしづかみにして 大きく回すように揉む。
舌を穴の中に出し入れし、吸い上げる。 ぐちゅぐちゅ……ちゅっ……っという音が私をさ らに感じさせていた。 私は、本当に、もう、限界で、「だめっ……、だ めっ……、あっ…!」 強く、身体を反り返らせて、絶頂を、むかえ た。 彼は分かっていてそれでもまだ割れ目を吸い上 げていた。そのたび 腰がビクン、ビクンと反応した。
彼は起きあがり服を全て取り、私の服も全て脱 がせ、 ゆっくり上へ身体を乗せて、堅い物を入り口に 押しつける。 先が、少し入ると私の手首をぐっと掴まえて、 「ねぇ、つきあおう。」 と言った。また、私が唇を噛んでいると急に腰 を強く突きつけ、奥まで 入り込んできた。「はっ…あ……!」その声を 遮って彼はキスをした。 「んふっ…。」腰はゆっくりと上下に動いてい る。
彼の胸とお腹の体温がぴったりと私の肌にくっ ついて 胸がキュンとなっていた。 身体を密着させたまま彼は私の左首筋を唇でな ぞる。 溜息のように「ねぇ…。」と彼が言うとまた、腰 が激しく打ちつけられた。 「あんっ!」私の肩がびくんと持ち上がるのを 彼は体重をかけて押さえている。
一瞬の沈黙の後「ねぇ。」と、また奥まで突き 上げる。 左耳を彼の唇がふさいだ。「ねぇ…。」私はだん だん背骨まで響く快感に もうろうとしていたけれど、彼はやっぱりまた 「ねぇ…。」と腰をズンッとあてがった。 身体を起こした彼は、私の両手首を、肩のあた りで布団に押しつけたまま パンッ!パンッ!パンッ!…私の奥をもっと突い てやろうと激しく打ちつける。
私の声は、小さな悲鳴の様だったと後で彼が 言っていた。 ………半分泣いていた。せつないし、感じるし、 動けないし。 それでも彼はねじ込ませるように、ぐっ! ぐっ!ぐっ!と何度も何度も、 時々ゆっくり、ぐちゅっ…と音を立てて、入った り、出たりを繰り返した。 私はまたいきそうになって、しがみつきたいの に、彼は「駄目だよ。」と 手を離してくれない。
いきそうでいけない境界線を入ったりきたりし ていると、彼は ふと手を離し、それを今度は背中に回し、私の 目を見た。 何か訴えるような目をしていたので、私は彼の 背中に手を回した。 彼に好きだよ、と言うと、激しくキスをしてき た。 そのまま彼の腰がまわるように動いて、 私は、また絶頂にきた。
「あっ!…あん!…あん!…」そのまま彼の前後 の動きは激しくなり 「はぁっ。」大きな溜息をくと、背中の手が食 い込み、それは私の中に深くうずもった状態で 数回どくん、どくん、……と収縮する。 しばらく抱き合ったままでいた。 せつないけれど、幸せな気持ちになった。